知っておきたい心不全の話
~あなたとご家族の健康のために~

「心臓が疲れている」という表現を聞いたことはありませんか?
実は、これは医学用語でいう「心不全」の分かりやすい説明なのです。

その疲れ、心臓からのSOSかもしれません

私たちの体の中で、24時間365日休むことなく働き続けている心臓。
まるで小さなポンプのように、全身に血液を送り出し続けているこの臓器が、時として「疲れ」を感じることがあります。

その「疲れ」が積み重なって起こるのが「心不全」です。

意外と身近な病気、でも侮ってはいけない心不全

「心不全って、高齢者の病気でしょう?」
そう思われる方も多いかもしれません。確かに年齢とともにリスクは高まりますが、実は40代、50代でも発症することがある身近な病気なのです。

 驚きの統計:

  • 日本での心疾患による死亡者数は年間約35万人
  • 2020年の心不全患者数は推定120万人
  • がんに次いで死因の第2位

 「治らない」けど「予防できる」病気

心不全の特徴で重要なのは、次の2つのポイントです:

  1. 一度発症すると完全な治癒は難しい
  2. しかし、予防は可能

これは何を意味するのでしょうか?
つまり、発症する前の予防が極めて大切だということです。

心不全のサイン:体からのメッセージを聞き逃さない

次のような症状があれば要注意です:

  • 階段を上ると以前より息切れする
  • 足のむくみが気になる
  • 寝るときに枕を高くしないと息苦しい
  • 疲れやすくなった

これらの症状が出たら、それは体からの大切なメッセージ。
早めに医師に相談することをお勧めします。

 健康寿命を延ばすために:予防が鍵

日本人の平均寿命は世界でもトップクラス。
でも大切なのは「健康寿命」、つまり自立して健康に暮らせる期間です。

実は、平均寿命と健康寿命には:

  • 男性で約  9年
  • 女性で約12年

もの差があります。

この差を縮めるためにも、心不全の予防は重要なのです。

予防のための3つの柱

 定期的な健康チェック

  • 血圧測定
  • 心電図検査
  • 血液検査

生活習慣の改善

  • 適度な運動
  • バランスの良い食事
  • 禁煙
  • 節酒

基礎疾患の管理

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症

などの治療をしっかりと行います。

さいごに:希望を持って

心不全は確かに完治の難しい病気です。
でも、適切な予防と早期発見、そして治療を続けることで、充実した毎日を送ることができます。

  • 私たちは、皆様の健康な生活をサポートするため、最新の医療知識と技術を提供していきます。