お子様の皮膚にある
「小さな石」のような”しこり”
石灰化上皮腫について

お子様によく見られる「石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)」という症
状についてお話しさせていただきます。

どんな症状なの?

「お子様の皮膚に、小さな硬いしこりを見つけた…」
「触ってみると、まるで小さな石のよう…」

そんな経験はありませんか?それは「石灰化上皮腫」かもしれません。

石灰化上皮腫は、お子様によく見られる良性の腫瘍です。「良性」というのは、がんのような悪性のものではないという意味です。主に以下のような特徴があります:

  • まぶたや首、腕などによく現れます
  • 触ると石のように硬いしこりを感じます
  • 皮膚の下で動かすことができます
  • ほとんどの場合、痛みはありません

なぜできるの?

実は、この腫瘍は私たちの髪の毛の根元にある「毛母細胞」から発生すると考えられています。そのため「毛母腫(もうぼしゅ)」とも呼ばれています。

お子様、特に小学生くらいまでのお子様によく見られ、女の子の方がやや多い傾向があります。ただし、なぜ発生するのかという明確な原因はまだ分かっていません。

心配な症状はある?

基本的には心配のない良性の腫瘍ですが、以下のような症状が出ることがあります:

  • かゆみが出る場合がある
  • 押すと痛みを感じることがある
  • だんだん大きくなっていく
  • 皮膚が薄くなって、青みがかって見える
  • まれに炎症を起こして赤くなる

診断と治療について

診断と治療について

診断方法

お医者さんは以下のような方法で確認します:

  • 触診(実際に触って確認)
  • エコー検査
  • レントゲン検査
  • 必要に応じて CT や MRI 検査
治療方法

残念ながら、お薬を塗ったり飲んだりしても治りません。また、自然に消えてしまうこともほとんどありません。

そのため、通常は手術で取り除くことをお勧めしています。手術は以下のような特徴があります:

  • 小学校高学年以上なら、局所麻酔での日帰り手術が可能
  • 小さなお子様や大きな腫瘍の場合は全身麻酔が必要
  • 手術後の再発はまれです

保護者の皆様へ

お子様の皮膚に硬いしこりを見つけた時は、ご心配になると思います。しかし、石灰化上皮腫は生命に関わる心配のない症状です。

  • とはいえ、似たような症状の中には注意が必要なものもありますので、気になる場合はお気軽に当クリニックにご相談ください。
  • ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。