水痘(みずぼうそう)について
子どもさんがよくかかる感染症の一つ、水痘(みずぼうそう)についてお話しします。
水痘って、どんな病気?
水痘は、正体が「水痘帯状疱疹ウイルス」という小さなウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルス、実は一度感染すると、私たちの体の中で一生涯眠っているんです。ただし、普段は免疫力でしっかり抑え込まれているので、めったに目覚めることはありません。
特徴的な症状は?
最も目立つ症状は、体に出る水ぶくれ(水疱)です。面白いことに、この水ぶくれ、まるで水玉模様のように次々と現れては変化していきます:
- 最初は小さな赤い点
- そこが膨らんで透明な水ぶくれに
- 中が白っぽくなって
- 最後はかさぶたに
一番のポイントは、これらの段階の水ぶくれが同時に見られること。まさに「水玉コレクション」のような状態になります。
感染の仕組み
どうやって広がるの?
水痘の感染力は、実はかなり強力です。麻疹(はしか)に次ぐほど。特に注意が必要なのは、症状が出る前から人にうつる可能性があることです。
感染経路は主に空気感染。感染した人が咳やくしゃみをすると、ウイルスが空気中を漂い、それを吸い込むことで感染します。意外かもしれませんが、水ぶくれに直接触れても、通常は感染しないとされています。
潜伏期間は?
ウイルスに出会ってから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は、だいたい2週間(10~21日)。この間、体の中でウイルスは静かに準備を進めています。
気をつけたいポイント
子どもと大人では違いが!
子どもの場合:
- 比較的軽い症状で済むことが多い
- 熱も軽めか、出ないこともある
- 食欲も少し落ちる程度
大人の場合:
- 症状が重くなりやすい
- 高熱が続くことも
- 水ぶくれの数も多くなりがち
季節との関係
このウイルス、実は寒さと乾燥に強い性質を持っています。そのため、冬から春にかけて流行することが多いんです。
予防と対策
水痘は、予防接種で予防できる病気です。特に:
- 小さなお子さんをお持ちの方
- 妊娠を考えている方
- 免疫力が低下している方
は、医師に相談することをおすすめします。
おわりに
水痘は決して軽い病気ではありませんが、適切な知識と対策があれば、怖がる必要はありません。
- 気になることがありましたら、お気軽に当クリニックにご相談ください。