水痘(みずぼうそう)について

子どもさんがよくかかる感染症の一つ、水痘(みずぼうそう)についてお話しします。

水痘って、どんな病気?

水痘は、正体が「水痘帯状疱疹ウイルス」という小さなウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルス、実は一度感染すると、私たちの体の中で一生涯眠っているんです。ただし、普段は免疫力でしっかり抑え込まれているので、めったに目覚めることはありません。

特徴的な症状は?

最も目立つ症状は、体に出る水ぶくれ(水疱)です。面白いことに、この水ぶくれ、まるで水玉模様のように次々と現れては変化していきます:

  1. 最初は小さな赤い点
  2. そこが膨らんで透明な水ぶくれに
  3. 中が白っぽくなって
  4. 最後はかさぶたに

一番のポイントは、これらの段階の水ぶくれが同時に見られること。まさに「水玉コレクション」のような状態になります。

感染の仕組み

どうやって広がるの?

水痘の感染力は、実はかなり強力です。麻疹(はしか)に次ぐほど。特に注意が必要なのは、症状が出る前から人にうつる可能性があることです。

感染経路は主に空気感染。感染した人が咳やくしゃみをすると、ウイルスが空気中を漂い、それを吸い込むことで感染します。意外かもしれませんが、水ぶくれに直接触れても、通常は感染しないとされています。

潜伏期間は?

ウイルスに出会ってから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は、だいたい2週間(10~21日)。この間、体の中でウイルスは静かに準備を進めています。

気をつけたいポイント

 子どもと大人では違いが!

子どもの場合:
  • 比較的軽い症状で済むことが多い
  • 熱も軽めか、出ないこともある
  • 食欲も少し落ちる程度
大人の場合:
  • 症状が重くなりやすい
  • 高熱が続くことも
  • 水ぶくれの数も多くなりがち

 季節との関係

このウイルス、実は寒さと乾燥に強い性質を持っています。そのため、冬から春にかけて流行することが多いんです。

 予防と対策

水痘は、予防接種で予防できる病気です。特に:

  • 小さなお子さんをお持ちの方
  • 妊娠を考えている方
  • 免疫力が低下している方

は、医師に相談することをおすすめします。

おわりに

水痘は決して軽い病気ではありませんが、適切な知識と対策があれば、怖がる必要はありません。

  • 気になることがありましたら、お気軽に当クリニックにご相談ください。