知っておきたい!
溶連菌感染症の基礎知識
みなさんは「溶連菌」という言葉を聞いたことがありますか?
特にお子さまがいらっしゃるご家庭では、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回は、この「溶連菌感染症」について、皆様に知っていただきたい情報をご紹介します。
そもそも溶連菌って何?
溶連菌は、私たちの身の回りによく存在する細菌の一種です。
正式名称を「溶血性レンサ球菌」といい、その中でも特に「A 群 β 溶連菌」が最も一般的な感染症の原因となります。
実は溶連菌には、A 群から G までいくつかの「グループ」があるんです。
まるで学校のクラスのように、それぞれ得意分野(?)が違います。
今回は特に重要な「A 群」「B 群」を中心にご説明していきましょう。
どんな症状が出るの?
A 群溶連菌の場合
最も多いのが「急性咽頭炎」です。
お子さまによく見られる症状で、以下のような特徴があります:
- 突然の高熱
- のどの痛み
- 体のだるさ
面白いことに、普通の風邪とは違って、咳や鼻水はあまり出ないんです!
また、「猩紅熱(しょうこうねつ)」という状態になると、まるで日焼けしたような赤い発疹が出たり、舌が真っ赤な「いちご舌」になったりします。
お肌に関する症状としては:
- 「とびひ」の原因にもなります(医学用語では膿痂疹)
- 皮膚が赤く腫れる蜂窩織炎を引き起こすことも
B 群溶連菌の場合
こちらは主に新生児に関係する菌です。
お母さんからの出産時の感染に注意が必要で、妊婦健診でしっかりチェックします。
診断はどうやって行うの?
昔は培養検査が主流でしたが、最近では迅速検査キットが活躍しています。
わずか 15 分程度で結果が分かるため、すぐに適切な治療を始められるようになりました。
治療法は?
溶連菌感染症の治療の主役は抗菌薬です。
ほとんどの場合、ペニシリン系のお薬を 10 日間程度服用します。
治療のポイント!
- お薬は必ず最後まで飲み切りましょう
- 症状が良くなっても中断は NG
- アレルギーがある方は別のお薬を使用します
予防のコツ
日常生活での予防ポイント
- こまめな手洗い
- うがいの習慣
- 十分な睡眠とバランスの良い食事
- マスクの着用(特に流行期)
最後に
溶連菌感染症は決して珍しい病気ではありません。
早期発見・早期治療が大切で、適切な治療を受ければ順調に回復できる病気です。
- 気になる症状がありましたら、お気軽に当クリニックにご相談ください。
特にお子様の場合、様子がおかしいと感じたら、できるだけ早めの受診をおすすめします。
どうぞお気軽にご相談ください。