子どもの下痢
~ママ・パパの不安を解消!家庭でできるケアガイド~
「先生、下痢が続いているんですが、何を食べさせたらいいでしょうか?」
「おかゆしか与えちゃダメですか?」
小児科の外来でよく耳にするこんな質問。
お子さんの下痢は、ご家族にとって大きな心配の種ですよね。
実は、下痢のときの食事制限について、私たち医療者の考え方は大きく変わってきています。
その常識、もう古いかも? 下痢のときの食事
「下痢だからおかゆだけ」
「母乳は控えめに」
「ミルクは薄めて」
こんな言い方、どこかで聞いたことありませんか?
実は、これらはすべて古い考え方なんです!
母乳・ミルクは続けて大丈夫!
お母さんたちを悩ませる授乳の問題。結論から言うと、母乳もミルクも、普段通り続けて問題ありません。特に母乳には、むしろ下痢を和らげる効果が期待できるんです。
ただし、一回の授乳量を少なめにして、回数を増やすのがコツ。赤ちゃんのペースに合わせて、無理なく進めていきましょう。
食事制限、実はそれほど厳しくない!
「子どもが食べたいと言ったら、それを食べさせてあげていいの?」
その通りです!
むしろ大切なのは、次の2つのポイント:
- 水分をしっかり補給すること
- 塩分と糖分を適度に摂ること
実は、子どもの好きな食べ物で水分の多いものなら、ほとんど問題ありません。
食事の具体例:こんなものが食べられます
- おかゆ(でも無理に食べる必要なし!)
- うどんやパン
- スープや味噌汁
- バナナやリンゴ(すりおろし)
- 煮野菜
- 白身魚
- 脂の少ない肉
- 豆腐
ただし、要注意なのは:
- 濃い目のジュース
- シロップ漬けの果物
- 油っこい食べ物
これらは、下痢を悪化させる可能性があるので控えめにしましょう。
水分補給のワンポイントアドバイス
経口補水液が飲めれば理想的ですが、子どもが嫌がる場合は無理する必要はありません。
代わりに:
- 薄めたスポーツドリンク
- お茶
- スープ
でもOK!
感染を防ぐために:簡単3ステップ
1.手洗いは石けんでしっかりと
- 調理前
- 食事前
- トイレの後
- おむつ交換後
2.おしりのケアを丁寧に
- お湯でやさしく洗い流す
- 拭き取りは優しく
- 清潔を保つ
3.嘔吐物の処理は素早く
- 乾燥する前に
- 換気をしっかり
- 使い捨て手袋を活用
病院を受診したほうがよい場合
以下の症状がある場合は、すぐに受診しましょう:
- ぐったりして元気がない
- 水分を全く受け付けない
- 便に血が混ざる
- 高熱が続く
最後に一言
お子さんの様子をよく見て、無理のない範囲でケアを進めていくことが大切です。
- 困ったときは、いつでも当クリニックにご相談ください。