水痘(水疱瘡)の予防接種について
知っておきたいこと
「みなさんは子どもの頃に「水疱瘡(みずぼうそう)」にかかった経験はありませんか?
あの痒い水疱や発疹は、子どもにとってもご家族にとっても辛い思い出かもしれません。
今回は、そんな水疱瘡を予防するワクチンについて、最新の情報をお届けします。
予防接種の効果ってどのくらい?
「予防接種を受けても完璧な予防はできないの?」というご質問をよく受けます。実は、予防接種を受けても約 20% のお子さんは水疱瘡にかかる可能性があります。でも、ここで重要なのは、たとえかかったとしても症状がとても軽くなるということ。発疹の数が少なく、熱も出にくいため、お子さんの負担がグッと減ります。
緊急時の予防効果も!
意外と知られていない豆知識ですが、水疱瘡の患者さんと接触した後でも、72 時間以内にワクチンを接種すれば、80 ~ 90% の確率で発症を防ぐことができます。これは、ワクチンが自然感染よりも早く免疫反応を引き起こすという特徴を活かしているんです。保育園や幼稚園での集団感染が心配な時には、とても心強い味方になります。
予防接種のスケジュール:2回接種がおすすめ
最近の研究で分かってきたのは、1回だけの接種では長期的な予防効果が徐々に低下してしまう可能性があるということ。そのため、現在は2回の接種が推奨されています。
【現在の推奨スケジュール】
- 1回目:1歳を過ぎたらなるべく早く
- 2回目:1回目から3ヶ月以上空けて、2歳になる前までに
特に注意が必要な方へ
妊娠中・妊娠を考えている方へ
水痘ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中の方への接種はできません。妊娠を考えている方は、以下のスケジュールを守ることが大切です:
- 接種前:約1ヶ月間の避妊
- 接種後:約2ヶ月間の避妊
免疫力が低下している方へ
白血病などの患者さんは、主治医とよく相談の上で接種を検討する必要があります。接種後2~4週間程度で軽い発疹が出ることがありますが、周囲への感染リスクは極めて低いことが分かっています。
知って安心!ワクチン後の帯状疱疹について
水痘ワクチンを受けた後、体内にワクチンウイルスが潜伏することがありますが、実は帯状疱疹の心配はほとんどありません。25 年間の追跡調査で、ワクチンが原因の帯状疱疹はわずか4例しか報告されていないんです。これは自然感染による帯状疱疹の発生率と比べると、驚くほど少ない数字です。
まとめ
水痘の予防接種は、お子さんを守るだけでなく、周りの大切な人々も守る重要な予防手段です。効果や安全性について理解を深めていただき、お子さんの年齢や状況に合わせて、最適なタイミングでの接種をご検討ください。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に当クリニックスタッフにお尋ねください。