インフルエンザワクチンガイド
お子さまの健康を守るために
こんにちは!寒い季節が近づくと気になるのが、インフルエンザ。
特にお子さまがいるご家庭では、毎年「ワクチンを打つべきか」
「何回接種すればいいの?」と悩まれることでしょう。
このガイドでは、保護者の皆さまが抱きがちな疑問にお答えします。
医学的な情報をわかりやすく、そして実用的にお伝えします。
知っておきたい!接種回数の基本
大人と子どもで違う?接種回数のルール
13 歳以上の方
1 回の接種で十分な効果が期待できます!健康な成人の方も、基礎疾患をお持ちの方も、研究によると 0.5mL を 1 回接種するだけで、2 回接種と同等の抗体(ウイルスと戦う力)が得られることがわかっています。
- 特別な医学的理由がある場合は、医師の判断で 2 回接種となることもあります。例えば、免疫機能が著しく低下している方などです。
13 歳未満のお子さま
お子さまは 2 回接種が基本です。1 回目の接種から2~4週間後に 2 回目を接種します。
- 6ヶ月〜3 歳未満:1 回 0.25mL × 2 回
- 3歳〜13 歳未満 :1 回 0.5mL × 2 回
- ワンポイント:1 回目に 12 歳で、2 回目の時に 13 歳になっていても、「12 歳扱い」で 2 回目の接種を行います。
海外ではどうしているの?
世界保健機関(WHO)や米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、9 歳以上の方は 1 回接種で十分としています。日本では 13 歳を境に接種回数を区別していますが、各国で少し基準が異なるのです。
よくある疑問にお答えします!
-
去年も接種したけど、今年も必要?
-
はい、毎年の接種をおすすめします!
インフルエンザワクチンは、その年に流行すると予測されるウイルス株に合わせて毎年作り直されています。去年のワクチンでは、今年流行するウイルスに十分な効果が期待できないことがあります。また、時間とともに免疫力は低下していくため、毎年の接種が効果的です。
-
子どものワクチン、本当に効果があるの?
-
確かな効果があります!
現在使用されている不活化ワクチンは、完全に感染を防ぐわけではありませんが、発症予防に 20〜60%の効果があるとされています。さらに重要なのは、もし感染しても重症化を防ぐ効果が期待できること。子どもがインフルエンザで入院するリスクを減らすことができます。
家庭でできる予防策
ワクチン接種に加えて:
- ご家族みんなでこまめな手洗い
- 「咳エチケット」の実践
- 流行期には人混みを避ける
これらの対策も合わせて行うことが大切です!
-
接種のベストタイミングは?
-
12月中旬までに済ませるのがベスト!
日本でのインフルエンザは例年 12 月〜4 月頃に流行し、1 月末〜3 月上旬に最もピークを迎えます。ワクチン接種後、効果が出るまでに約 2 週間かかるため、12 月中旬までに接種を完了することをおすすめします。
-
ワクチンでインフルエンザになることは?
-
なりません!(不活化ワクチンの場合)
日本で一般的に使用されている「不活化ワクチン」は、ウイルスから免疫をつくるのに必要な成分だけを取り出して作られています。ウイルスとしての活性はないので、ワクチン接種によってインフルエンザを発症することはありません。
一方、「弱毒生ワクチン」(経鼻スプレータイプ)は、弱めたウイルスを使用しているため、まれに軽い症状が出ることがあります。
-
4価ワクチンって何?
-
4種類のウイルス株に対応したワクチンです!
現在日本で使用されているインフルエンザワクチンは「4 価ワクチン」と呼ばれ、A型の 2 種類(H1N1 株と H3N2 株)と B 型の 2 種類(山形系統株とビクトリア系統株)、合計 4 種類のウイルス株に対応しています。これにより、より広い範囲のインフルエンザウイルスに対して免疫がつきます。
安心して接種いただくために
万が一の健康被害に対する救済制度
予防接種後に、万が一重い副反応が起きた場合の救済制度があります。定期接種の場合は「予防接種健康被害救済制度」、任意接種の場合は「医薬品副作用被害救済制度」が適用されます。
- 心配なことがあれば、いつでも当クリニックにご相談ください。お子さまの健康を一緒に守っていきましょう。