知っておきたい!
高齢者の肺炎球菌ワクチン
こんにちは!クリニックの皆さんへ、大切な健康情報をお届けします。肺炎球菌ワクチンについて、わかりやすくご説明します。
肺炎球菌って何?身近に潜む小さな脅威
肺炎球菌は私たちの身の回りにいる細菌の一種。実は高齢者の約3~5%の方の鼻や喉に住み着いています。普段は大人しくしていますが、体力が落ちたときなどに活発になり、気管支炎や肺炎、さらには血液に入り込んで全身に広がる敗血症を引き起こすことも。
「風邪をこじらせたと思ったら肺炎だった」というケース、よく耳にしますよね。その原因が肺炎球菌かもしれません。
ワクチンでできること
肺炎球菌には90種類以上の「型」があります。国の定期接種で使われる「ニューモバックスNP」は、そのうち23種類に効果があるワクチン。これらの23種類は、成人の重症肺炎球菌感染症の原因の約4~5割を占めています。
ワクチン接種で重症肺炎球菌感染症を約4割予防できるんです!
「重症感染症」とは?通常は菌がいないはずの血液や脳脊髄液などから菌が見つかる、危険な状態のことです。
気になる副反応は?
ほとんどの方は、接種部位の痛みや赤み、軽い発熱程度で済みますが、まれに重い副反応が報告されています。
- 注射した部位:痛み、赤み、はれ、かゆみ
- 全身症状:発熱、だるさ、頭痛など
- まれに:アレルギー反応、血小板減少など
心配なことがあれば、遠慮なく医師にご相談くださいね。
接種できる年齢は?
2024年4月からは、次の方が定期接種(無料または一部助成)の対象です:
- 65歳の方
- 60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器に重い障害がある方
- 60~64歳で、HIV感染により免疫機能に重い障害がある方
大切なポイント:すでに「ニューモバックスNP」を受けたことがある方は対象外です!
よくある質問
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過去に肺炎になったことがありますが、接種できますか?
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はい、できます!肺炎の原因はさまざま。過去に肺炎にかかっていても接種をおすすめします。
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接種歴を忘れてしまい、誤って2回目を受けてしまいました。大丈夫?
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5年以内の再接種では、注射部位の痛みなどが強く出ることがあります。接種の際は必ず接種歴を確認しましょう。
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PCV15やPCV20という肺炎球菌ワクチンもありますが?
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高齢者の定期接種で使えるのは「ニューモバックスNP」だけです。他のタイプは任意接種になります。
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どこで接種できますか?
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お住まいの市町村が実施しています。詳しくは市町村の窓口にお問い合わせください。
特別なケース
長期療養中で接種を逃した場合:
長い入院などで接種できなかった場合、回復後1年以内なら特例で接種可能です。市町村にご相談ください。
万が一、健康被害が出たら:
定期接種による健康被害には救済制度があります。安心して接種を受けていただけるよう、しっかりとしたサポート体制を整えています。
- 当クリニックでは肺炎球菌ワクチンの接種を行っております。ご不明な点はお気軽にスタッフまでお尋ねください。