心臓からのメッセージ
知っておきたい心不全のこと
私たちの体の中で、24 時間 365 日休むことなく働き続けている臓器があります。
そう、心臓です。
一日に約 10 万回も収縮を繰り返し、全身に酸素と栄養を届けるポンプの役割を果たしています。でも時には、この頼もしい心臓も疲れを感じることがあります。それが「心不全」という状態です。
心不全って、どんな病気?
心不全は、心臓が「疲れて」しまい、体中に血液を十分に送れなくなった状態です。
まるで、水を汲み上げるポンプの調子が悪くなって、お風呂の湯がちょろちょろとしか出なくなったような状態といえます。
ただし、心不全は突然やってくるわけではありません。
多くの場合、次のような「SOS サイン」を出してくれます:
- 階段を上ったときの息切れが増えた
- 寝るときに、急に息苦しくなる
- 足がむくみやすい
- 疲れやすくなった
- 何となく調子が悪い
なぜ心不全になるの?
心不全の原因は、大きく分けて2つあります:
1.心臓自体の問題
- 心筋梗塞や狭心症で心臓の筋肉が弱くなった
- 心臓の弁(扉)がうまく働かない
- 生まれつきの心臓の病気
2.心臓に負担をかける生活習慣病
- 高血圧が長く続いている
- 糖尿病のコントロールが悪い
- 不規則な生活や過度の飲酒
予防と早期発見が大切です
心不全は、早めに見つけて適切な治療を始めることで、進行を防ぐことができます。
特に気をつけたいのは、次のような方々です:
- 65 歳以上の方
- 高血圧や糖尿病がある方
- 心臓病の治療中の方
- ご家族に心臓病の方がいる方
心不全を予防する生活習慣
心臓は意外とデリケートです。でも、次のような心がけで大切な心臓を守ることが
できます:
1.塩分控えめの食事を
- 一日の塩分摂取は6g 未満を目標に
- 調味料は控えめに、だしの旨味を活用
2.適度な運動を続ける
- ウォーキングなら、一日 30 分程度
- 「ちょっと息が弾む」くらいの強度で
3.十分な休養
- 質の良い睡眠を心がける
- ストレスをためすぎない
4.定期的な健康チェック
- 年に一度は健康診断を
- 気になる症状があれば、すぐに受診を
最後に
心不全は、決して特別な病気ではありません。
むしろ、高齢化社会の日本では増加している、とても身近な病気です。
でも心配はいりません。
早期発見と適切な治療、そして生活習慣の見直しで、心不全とうまく付き合っていくことができます。
- 私たちのクリニックでは、患者さま一人ひとりの状態に合わせた、きめ細やかな診療を心がけています。
ちょっとした体調の変化でも、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの心臓の声に、私たちが耳を傾けます。