お子様を守るために知っておきたい
インフルエンザ脳症

お子様がインフルエンザにかかったとき、私たち医療従事者がもっとも注意を払う合併症の一つが「インフルエンザ脳症」です。
今回は、保護者の皆様にこの病気についてご理解いただき、早期発見のお手伝いができればと思います。

その時、お子様の様子が「いつもと違う」と感じたら

インフルエンザで熱が出た後、普段元気なお子様が急に「ボーっとしている」「いつもと様子が違う」と感じることはありませんか?

実はこれが、インフルエンザ脳症の重要なサインかもしれません。お子様の脳を守るため、このような変化に気づくことは、とても大切なのです。

「まさか」を見逃さないために

普段のお子様をよく知っているのは、ほかでもない保護者の皆様です。以下のような変化に気づいたら、すぐに医師にご相談ください。

  • いつもはハキハキしているのに、ぼんやりしている
  • 名前を呼んでも、反応が鈍い
  • 急に怖がったり、怒ったりする
  • 意味の分からないことを話す
  • 体がピクピクと震える(特に15分以上続く場合)

なぜ起こるの? ― お医者さんの目から見たインフルエンザ脳症

インフルエンザウイルスが引き起こす炎症により、脳にむくみが生じることで発症します。お子様の頭の中で起こっていることを、簡単に例えると:

想像してみてください。
風船の中に水を入れていくと、だんだん膨らんでいきますよね。これと同じように、炎症によって脳がむくむと、頭蓋骨という固い入れ物の中で脳が圧迫されてしまうのです。

 治療について ― お子様の命を守るために

インフルエンザ脳症が疑われる場合、すぐに入院治療が必要です。でも、ご安心ください。現代の医療では、以下のような方法で、お子様をしっかりと守ることができます。

  • 24時間体制での見守り
  • 最新の医療機器によるモニタリング
  • 抗ウイルス薬による治療
  • 脳のむくみを抑える特殊な治療

予防が大切! ― できることから始めましょう

インフルエンザ脳症を100%防ぐことは難しいですが、以下のような対策で、リスクを減らすことができます。

  • インフルエンザワクチンの接種
  • こまめな手洗い、うがい
  • 十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事
  • 体調管理と早めの受診

最後に

お子様の異変に気づいたとき、「様子を見よう」と悩むより、すぐにご相談ください。

  • ご不安なことがありましたら、いつでもクリニックにご連絡ください。
    皆様のお子様の笑顔を守るため、私たちができることを精一杯させていただきます。