小さなお子さまの手足口病ガイド
保護者の皆様へ
「あれ?子どもの手に小さな水ぶくれが…」
春から夏にかけて、保育園や幼稚園でよく耳にする「手足口病」。
お子さまの手や足、お口の中に小さな水ぶくれを見つけたとき、どうすればいいのでしょうか?
今回は、保護者の皆さまに知っておいていただきたい手足口病の基礎知識をご紹介します。
手足口病ってどんな病気?
手足口病は、その名の通り「手・足・口」に特徴的な発疹が現れるウイルス性の感染症です。実は「お尻」にも出ることが多いので、「手足口お尻病」なんて呼ばれることも!
主に幼いお子さまがかかりやすく、毎年春から増え始め、夏に最も流行します。まるで子どもたちと一緒に夏休みを楽しみたいかのようなこの病気、実はほとんどの場合、1 週間程度で自然に治ってしまう優しい病気なのです。
見分け方は?
「水ぶくれ探偵団、出動せよ!」
感染から 3〜5 日後、小さな探偵のように次の場所に水ぶくれ(2〜3mm)が現れます:
- お口の中(頬の内側やベロ)
- 手のひら
- 足の裏や甲
- お尻周り
- 時にはひざやひじにも
発熱は約3分の1のお子さまに見られますが、通常は高熱にはなりません。
水ぼうそうとの違いは?
コクサッキーウイルス A6 による手足口病は、ときに水ぼうそう(水痘)と間違えられることがあります。
水ぼうそうとの違いポイント:
- 手足口病:主に手・足・口(+お尻)に集中
- 水ぼうそう:全身にバラバラと広がる
また、手足口病の特殊なタイプでは、数週間後に爪が脱落することも!(ドキッとしますが、新しい爪はちゃんと生えてきますのでご安心を)
犯人は誰?
手足口病の主な「犯人」は以下のウイルスたち:
- コクサッキーウイルス A16 (CA16)
- コクサッキーウイルス A6 (CA 6)
- コクサッキーウイルス A10 (CA10)
- エンテロウイルス 71 (EV71)
この中でも特に注意が必要なのが エンテロウイルス 71(EV71)です。他のウイルスに比べて、まれに脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。お子さまの様子がいつもと違う、ぐったりしている、嘔吐を繰り返すなどの症状がある場合は、すぐに医師にご相談ください。
保育園・幼稚園はいつから行ける?
「明日から保育園、大丈夫かな…」
実は、手足口病は症状が消えた後も 2〜4 週間ほど便の中にウイルスが残ります。そのため、見た目の症状だけで登園を制限してもあまり効果がないんです。
大切なポイント:
- 発熱や口内の痛みがなく、普段通りに食事や水分が摂れる状態なら登園可能です
- トイレの後や排泄物の処理後は、しっかり手洗いを!これが最大の予防策です
予防と対策
手足口病を完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策で感染リスクを減らせます:
- 手洗いの徹底 ― 特にトイレの後や外出後は丁寧に
- 共有おもちゃの消毒 ― 特に流行期には定期的に
- 十分な睡眠と栄養 ― 免疫力アップで体の防御力を高めましょう
受診の目安
以下の症状がある場合は、小児科を受診しましょう:
- 水分が取れない
- 38°C 以上の発熱が続く
- ぐったりして元気がない
- 頭痛や嘔吐が続く
最後に
手足口病は、多くの場合は自然に治る病気です。お子さまがリラックスして過ごせるよう、十分な水分補給と休息を心がけてあげてください。そして、「手足口病デビュー」を終えたお子さまには、小さな勇者として特別なごほうびを用意してあげるのも良いかもしれませんね!
- 当クリニックでは、お子さまの感染症に関するご相談を随時承っております。
ご不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。