水痘(水ぼうそう)の治療と予防について
みなさんこんにちは。
今回は、子どもさんがよくかかる感染症の一つ、水痘(水ぼうそう)についてお話しします。
水痘って、どんな病気?
水痘は、「水ぼうそう」の正式名称です。水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)という小さなウイルスが原因で起こる感染症です。特徴的な水疱(水ぶくれ)ができ、かゆみを伴うのが特徴です。
感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は約14日。つまり、水痘の患者さんと接触してから、2週間後くらいに発症する可能性があるということですね。
治療法について
1.飲み薬による治療
水痘の治療には、アシクロビル(商品名:ゾビラックスなど)という抗ウイルス薬が使われます。このお薬は、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。
【お薬を飲むコツ】
- 水に溶けにくいので、ヨーグルトやプリン、アイスなどに混ぜて飲むと良いでしょう
- 発症してなるべく早く(3日以内)に服用を始めることで、より効果が期待できます
2.お肌のケア
かゆみを和らげるために、「カチリ」(フェノール亜鉛華軟膏)という軟膏を使います。
【塗り方のコツ】
- 水疱一つ一つにていねいに塗ります
- 1日2回程度、塗り重ねます
- 塗ってから5分ほど乾かしてから服を着せましょう
- 水疱が破れた部分には塗らないようにしましょう
3.予防投与について(※保険適用外)
水痘の患者さんと接触した方への予防投与も可能です。発症予定日の2日前(兄弟の場合は3日前)から、アシクロビルを予防的に服用することで、症状を軽くすることができます。
妊婦さんへの注意点
妊娠中の水痘感染については、特に注意が必要です。
【妊娠週数による影響】
- 妊娠 20 週以前の感染 :赤ちゃんに先天異常のリスクがあります
- 妊娠 20 週以降の感染 :先天異常のリスクは低くなります
- 出産直前(5日前)~出産後の感染:新生児が重症化する可能性があります
妊娠中に水痘の患者さんと接触した場合は、すぐに医師にご相談ください。
おわりに
水痘は適切な治療を行えば、通常は大きな問題なく治癒する病気です。ただし:
- 発症したらなるべく早く受診する
- 薬は医師の指示通りに服用する
- 掻きすぎて傷にならないよう注意する
これらの点に気をつけることが大切です。
- 心配なことがありましたら、いつでもご相談ください。