お子様の下痢
知っておきたい原因と対策
「先生、うちの子、下痢が続いているんです…」
診察室でよく耳にするこの声。お子様の下痢は、ご家族にとって心配の種ですよね。
今回は、私たちが日々診療で出会う「子どもの下痢」について、分かりやすくお話ししていきましょう。
下痢の主な原因 ― ウイルスくんと細菌くんの仕業?
お子様の下痢の多くは「感染性胃腸炎」が原因です。主な犯人は以下の通り:
1.ウイルス性胃腸炎
代表的な"悪さっ子"は、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスです。
まるで「かくれんぼ名人」のように保育園や学校で次々と友達にうつっていきます。
でも心配いりません。ほとんどの場合、約1週間で自然に良くなります。
2.細菌性胃腸炎(食中毒)
カンピロバクターやサルモネラなどの細菌による食中毒です。
「抗生物質を使わなきゃ!」と思われるかもしれませんが、実は多くの場合、お薬なしでも自然に治っていきます。からだって賢いですね。
気をつけたい!脱水のサイン
特に気をつけたいのが脱水症状です。
でも、「うちの子、大丈夫かな?」と心配になったら、以下のポイントをチェック!
- おしっこの回数が減った
- 口の中が乾いている
- 機嫌が悪い
- 元気がない
これらの症状が見られたら、すぐに受診しましょう。
実は意外と多い!?その他の原因
乳糖不耐症
胃腸炎の後に「おっぱいやミルクを飲むと下痢が悪化する」という赤ちゃんがいます。
これは「二次性乳糖不耐症」かもしれません。
心配いりません。これは一時的なもので、1~2週間で改善します。
専用のミルクに切り替えると症状が和らぐことも。
心のサインかも?
学童期や思春期のお子様に多いのが、ストレスによる下痢です。
テスト前や行事の前に「お腹が痛い」「下痢が出る」というお子様がいたら、心の声に耳を傾けてみましょう。
予防と対策のコツ
1.手洗いは魔法の予防法
石鹸での丁寧な手洗いは、感染予防の基本中の基本!
特に食事の前、トイレの後は必ず行いましょう。
2.水分補給がカギ
下痢のときは水分をこまめに補給することが大切です。
経口補水液やスポーツドリンクを薄めて飲ませるのがおすすめです。
3.無理な食事制限は禁物
「下痢だから食べちゃダメ」は古い考え方。
お子様の食欲に合わせて、消化の良いものから少しずつ試してみましょう。
最後に
ほとんどの下痢は、からだの自然な防御反応。
でも、以下の場合は要注意です:
- 2週間以上続く下痢
- 血便が混ざる
- ひどい腹痛を伴う
- 脱水症状がある
このような症状が見られたら、すぐにご相談ください。
- 私たちは、お子様の健康を守るお手伝いをさせていただきます。
お子様の様子がいつもと違うと感じたら、どんな些細なことでもご相談ください。