お子さまの
「ゼーゼー」を理解する
喘息様気管支炎について
「ゼーゼー、ヒューヒュー」が
教えてくれること
お子さまが風邪をひいた後、
突然「ゼーゼー」という音と共に呼吸が苦しそうになったことはありませんか?
これは「喘息様気管支炎」かもしれません。
怖い名前ですが、実はお子さまの風邪によくある合併症なんです。
小さな通路の大きな問題
お子さまの気管支は、大人の親指ほどの細さしかありません。そこに風邪ウイルスが侵入すると…
想像してみてください:
通常の気管支は、きれいな丸い水道管のようなもの。ところが風邪をひくと、その内側が腫れて、さらにねばねばしたたん(水道管の中の苔のようなもの)が溜まります。結果、空気が通る道はさらに狭くなってしまうのです!
「細いストロー呼吸」ってどんな感じ?
お子さまが喘息様気管支炎になると、細いストローだけで息をするような状態になります。大人の方も試してみてください—細いストロー1本だけで鼻をつまんで呼吸してみると、お子さまの辛さが少し分かるかもしれません。
こんな症状に注意!
「ゼーゼー、ヒューヒュー」という音(喘鳴)
息を吐くときだけでなく、吸うときにも聞こえることがあります
肩で息をする(努力呼吸)
呼吸が苦しいため、肩を上下させて一生懸命に息をします
横になりたがらない(起坐呼吸)
座っているほうが楽なため、寝かせようとすると嫌がります
お家でできるケア
1.水分補給の達人になろう!
赤ちゃんやお子さまはたんを自分で出すのが苦手。水分をこまめに与えると、ねばねばしたたんが柔らかくなり、出しやすくなります。
2.お部屋は「森の中」くらい湿気を
加湿器を使って、部屋の湿度を50~60% に保ちましょう。乾燥した空気は気管支の粘膜を刺激してしまいます。
3.無理な体勢は避けて
お子さまが楽な姿勢でいられるようにしましょう。横になると苦しいなら、抱っこやクッションでサポートしてあげましょう。
治療について
病院では、主に以下の治療が行われます:
- 気管支を広げる薬:空気の通り道を広げて、呼吸を楽にします
- たんを出しやすくする薬:ねばねばしたたんをサラサラにして出しやすくします
繰り返すケースについて
何度も喘息様気管支炎を繰り返すお子さまや、アレルギー体質のお子さまは、「気管支ぜんそく」と診断されることがあります。でも心配しないでください!
現代の医療では、適切な管理で症状をコントロールできます。
受診の目安
以下の症状がある場合は、すぐに受診しましょう:
- 呼吸が速く、苦しそう
- 顔色が悪い、唇が青っぽい
- 胸がペコペコと凹む
- 水分が取れない
気管支は私たちの体の中の「空気の高速道路」。その道路が渋滞しないよう、早めのケアを心がけましょう。
- 何か心配なことがあれば、いつでも当クリニックにご相談ください。