子どもの肺炎
パパママのための分かりやすいガイド
「うちの子、肺炎かも?」
知っておきたい基礎知識
子どもによく見られる「肺炎」について、医学用語をできるだけ避けて、分かりやすくお話しします。
肺炎って、どんな病気?
肺炎は、肺の中に「炎症パーティー」が開かれてしまった状態と考えてください。私たちの肺は通常、きれいな空気を取り込んで酸素を体に届ける大切な役割を担っています。でも、時々招かれざる客(ウイルスや細菌)が肺に侵入して、そこで悪さをすることがあるんです。
その結果、咳が出たり、痰がからんだり、熱が出たりします。子どもの場合は特に、風邪から始まって肺炎に進行することが多いんですよ。
どうして子どもは肺炎になりやすいの?
子どもたちは、まだ免疫システムが「見習い期間中」なんです。大人のように経験を積んでいないため、ウイルスや細菌と戦うのが上手ではありません。また、子どもたちは:
- 手洗いがまだ完璧でない(「あれ?手を洗ったっけ?」状態)
- 何でも口に入れたがる探検家
- お友達と密接に遊ぶ社交家
これらの理由で、感染症のリスクが高くなります。でも心配しないでください!多くの場合、適切なケアで元気に回復します。
年齢別:よくある「肺炎の犯人たち」
赤ちゃん期(生後 28 日まで)
- B 群溶連菌や大腸菌が主な犯人
- ママのお産の過程で出会った菌が原因になることも
乳幼児期(生後 28 日~3歳)
- RS ウイルス、ライノウイルス(よくある風邪の原因ウイルス)
- 肺炎球菌やインフルエンザ菌(でも、ワクチンのおかげで減ってきています!)
5歳以上の子ども
- マイコプラズマ(「歩く肺炎」とも呼ばれる、咳が長引くタイプ)
- インフルエンザウイルスなど
「これって肺炎?」見分けるポイント
よくある症状
- 発熱(38 度以上が4〜5日続く)
- 咳(特に夜間に悪化)
- 呼吸が速い(お腹を使って息をしている)
- ゼーゼー、ヒューヒューという音・ 元気がない、食欲不振
ちょっと意外な症状
- お腹が痛い(下の肺が炎症を起こすと、お腹の症状が出ることも)
- 嘔吐
- ぐったり感
注意ポイント:
赤ちゃんは熱が出なくても肺炎になることがあります。呼吸が速い、哺乳力が弱い、ぐったりしているなどの症状があれば要注意です。
診断と検査 ― お医者さんは何を見る?
肺炎かどうかを見極めるため、お医者さんは以下のことを確認します:
- 問診 ― いつから、どんな症状があるか
- 聴診器チェック ― 肺の音を「盗み聞き」
- 呼吸の様子 ― 速さ、リズム、苦しそうかどうか
- 場合によってはレントゲン ― 肺の中の様子を確認
- 血液検査や痰の検査 ― 炎症の程度や原因を探る
治療法 ― どうやって治すの?
軽症の場合(多くのウイルス性肺炎)
- お家でゆっくり休養
- たくさんの水分補給(熱や咳で失われた水分を補充)
- 必要に応じて解熱剤(お医者さんの指示に従ってください)
- 室内を適度に加湿(乾燥は咳を悪化させます)
中等度〜重症の場合
- 抗生物質(細菌性の場合)
- 場合によっては入院治療
- 酸素補助療法(必要な場合)
- 点滴による水分・栄養補給
お薬の知恵:
抗生物質はウイルスには効きません。お医者さんがウイルス性と判断した場合、抗生物質が処方されないのはそのためです。処方された場合は、症状が良くなっても最後まで飲み切ることが大切です!
予防策 ― 肺炎から子どもを守るには?
ワクチン接種
- 肺炎球菌ワクチン
- Hib ワクチン(インフルエンザ菌b型)
- インフルエンザワクチン
- 定期予防接種を忘れずに!
日常の予防習慣
- 手洗いの習慣化(楽しい手洗い歌で 20 秒間)
- 咳エチケット(「ドラキュラの咳」:腕の内側に咳をする)
- 部屋の適度な換気
- バランスの良い食事と十分な睡眠
こんな時はすぐ病院へ!
以下の症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう:
- 呼吸が非常に速い、または苦しそう
- 唇や爪が青っぽくなる
- 水分が取れない
- ぐったりして反応が悪い
- 38 度以上の熱が4日以上続く
まとめ:心配しすぎないで!
子どもの肺炎は確かに心配ですが、日本の医療環境は世界トップクラス。適切な診断と治療で、ほとんどの子どもたちはすっかり回復します。
- 大切なのは早期発見と適切なケア。「何かおかしいな」と感じたら、ためらわずに当クリニックへご相談ください。