子どもの夜間の咳
~クループ症候群について~
真夜中、突然聞こえてくる特徴的な咳の音。まるで子犬が遠吠えをするような、ゴロゴロした音。
そう、これがクループ症候群の始まりかもしれません。
お子様の夜間の咳で心配なご家族のために、クループ症候群について詳しくご説明します。
クループ症候群って何?
クループ症候群は、主に赤ちゃんや小さなお子様がかかる喉の病気です。わかりやすく言うと、喉の入り口(喉頭)が風邪などの影響で腫れて、空気の通り道が狭くなってしまう状態です。
想像してみてください。大人の親指ほどの太さしかない小さな子どもの気道。その細い通路が、さらに腫れて狭くなるのです。これが、あの特徴的な咳の正体なのです。
どんな症状が出るの?
初期の症状
- 普通の風邪のような症状(鼻水、軽い咳、熱)
- 夜になると症状が悪化
- 日中は元気に遊べることも!
特徴的な症状
- オットセイや子犬の遠吠えのような「ケーン」という咳
- 息を吸うときの「ゴロゴロ」という音
- かすれ声
- 息苦しそうな様子
なぜ夜に悪化するの?
面白いことに、クループ症候群は「夜の病気」とも呼ばれています。なぜでしょう?
それは、
- 夜間は体の炎症反応が活発になる
- 横になることで痰が喉に溜まりやすい
- 夜間は気道が少し狭くなる生理的な変化がある
という3つの理由があるからなんです。
知って安心!家庭でできるケア
すぐにできること
- お子様を落ち着かせる(泣くと症状が悪化します)
- 部屋を適度に加湿する
- 座った姿勢を保つ(横になると苦しくなりやすい)のお子さん
予防のためにできること
- 十分な水分補給
- 規則正しい生活リズム
- 手洗い・うがいの習慣づけ
病院を受診するタイミング
以下の症状が出たら、迷わず受診しましょう:
- 呼吸が苦しそう
- ぐったりしている
- 顔色が悪い
- 水分が取れない
知っておきたい!クループと急性喉頭蓋炎の違い
クループと似て非なる病気に「急性喉頭蓋炎」があります。こちらはより重篤な症状を引き起こす可能性があり、早期発見・早期治療が重要です。ヒブワクチンで予防できるので、予防接種は必ず受けましょう。
最後に
クループ症候群は確かに心配な病気ですが、適切な治療を受ければ、ほとんどの場合数日で改善します。突然の夜間の発症に慌てないよう、このページの情報を参考に、しっかり対策を立てておきましょう。
- 心配なときは、いつでも当クリニックにご相談ください。